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コサブロウのうまいもん紀行 3

箱根でアート鑑賞と極上スイーツの休日

「箱根ラリック美術館」「サロン・ド・テ ロザージュ」

記者:木村小左郎(旅コラムニスト)

 新緑がまぶしい初夏の週末、久々に箱根のトライブを楽しんだ。 まず目指したのは、仙石原にある「箱根ラリック美術館」。 箱根湯本駅前を過ぎ、塔ノ沢、宮の下温泉と上るにつれて山は深くなり、きついカーブが続くが、 これもまた箱根ドライブならではの醍醐味である。

 138号線の仙石原交差点を左折すると、右側に「箱根ラリック美術館」。 宝飾作家であり多彩なガラス工芸作家としても有名な、ルネ・ラリックの作品を展示するアートスポットだ。 ラリックが手掛けた華麗なガラスパネルで装飾された、本物のオリエント急行の車体が展示されていることでも知られている。

「箱根ラリック美術館」に展示されている
オリエント急行のサロンカー。
見学しながらティータイムが楽しめる
「箱根ラリック美術館」に展示されているオリエント急行のサロンカー。見学しながらティータイムが楽しめる



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ラリックの作品とシーボルトの植物標本

「箱根ラリック美術館」の花器コーナー
「箱根ラリック美術館」の花器コーナー

 今回ぜひ見ておきたかったのは、9月23日まで開催している企画展『ラリックに咲いたシーボルトの和の花』。 植物学の見地から、ラリックの「花をモチーフにした作品」を検証しようというものだ。 シーボルトが採集した日本の植物標本や、明治期に海外向けに製作された日本の花カタログなどの資料をもとに 「園芸のジャポニスム」に迫り、その真髄ともいえる「和の花」を描いたラリックの作品を紹介している。

 テッポウユリをモチーフにしたペンダント/ブローチ「ユリの女」、 フジをモチーフにした櫛やペンダント、マツをモチーフにした指輪など約50点が展示されているが、 興味深いのは、シーボルトの植物標本や明治期のみごとな植物画も同時に展示されていること。

 華麗にして精緻なラリックの作品越しに、およそ180年前に採集された植物標本を見るというのも、 なかなかできない体験だろう。また、それらを同時に鑑賞することで、 ラリックが植物の特徴をきわめて詳細に観察し、作品作りをしていたかをつぶさに理解できる。 「ユリの女」のあでやかさも素晴らしいが、どこにでもある松かさを描いた指輪などは、 日本女性の清楚な美をもイメージさせて倦きることがない。

 ちなみに毎週火・金曜日午前(11時~11時30分)にはミュージアムスタッフによるミュージアムツアー(無料)を実施している。 単に見て回るだけではわからない、ラリックの作品世界を知るにはうってつけだ。


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茶葉だけでなくカップ&ソーサーも販売

 さて、いよいよ極上スイーツである。 「箱根ラリック美術館」から芦ノ湖方面に向かう。 桃源台から箱根園を経由し、湖畔沿いの道を進むと箱根神社手前に「プレミアムショップ&サロン・ド・テ ロザージュ」がある。 箱根随一と名高いスイーツの店だ。

 この春リニューアルオープンし、 1階がデザートレストラン、2階がオリジナルスイーツとグッズを販売するプレミアムショップとなった。

芦ノ湖畔に建つ「プレミアムショップ&サロン・ド・テ ロザージュ」
芦ノ湖畔に建つ「プレミアムショップ&サロン・ド・テ ロザージュ」

ティーインストラクターの稲本光央さん。
手に持っているのはしゃくなげ柄のオリジナル・ティーポット7900円
ティーインストラクターの稲本光央さん。
手に持っているのはしゃくなげ柄のオリジナル・ティーポット7900円

 リニューアル後の大きな魅力は、以前よりさらに紅茶の世界が充実し、 スイーツの世界が楽しめるようになったこと。 2階のショップでは専属のティーインストラクターが厳選した30種類の紅茶やオリジナルのティーカップ&ソーサーなどを販売。 1階ではダージリン マカイバリ茶園ファーストフラッシュ(インド)、 キームン(中国)、セイロン ウバ(スリランカ)、そしてブルーベリー&レモン、 あじさいティーといったフレーバーティーなど22種類の多彩な紅茶が味わえる。

 「基本的にインド、スリランカ、中国の代表的な産地の紅茶をとり揃え、さらに産地だけでなく茶園や採れる時期にもこだわったスペシャルな紅茶をご用意しています」 と話すのはティーインストラクターの稲本光央さん。

 紅茶のバリエーションがより楽しめるのがフレーバーティーだが、合成香料による着香のみのものではなく、 ドライフルーツやハーブなどをブレンド。 ナチュラルな素材にこだわり、ヘルシー&ビューティ志向の女性を意識しているという。

 ダージリンを基調とした「あじさいティー」は、目でも楽しめるようにブルーの矢車菊をブレンドするなど、
オリジナリティあふれる紅茶に仕上がっている。山のホテルのつつじをイメージした「つつじ」のフレーバーティーも、箱根らしい一品。 お土産に喜ばれるのも納得だ。


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セイロンディンブラ&あつあつりんごパイ!

 おいしい紅茶が引き立てるスイーツは、パティシエ手作りのケーキやオリジナルデザートが10種類ほどあるが、 迷わず「あつあつりんごパイ」をオーダーした。 この店イチオシのメニューなのである。 選んだ紅茶は、タンニンが少なくマイルドな味わいのセイロンディンブラ。 待つことしばし…。

 まずはオリジナルのしゃくなげ柄のティーセットが運ばれてきた。 ホワイト&ブルーの上品な印象。 ポットは、茶葉が中でジャンピング(くるくる上下に浮き沈みすること)しやすいまあるい形状にこだわっている。 ジャンピングしやすいと茶葉がよく開き、さまざまな成分が抽出され、 そして結合されて、よりおいしい紅茶になるのだ。

 青色(5分)とピンク色(3分)の砂時計もセットされ、 「ピンク色が終了したらポットから注いでください」。 茶葉の種類によって飲みごろの時間が異なるというわけである。

サービススタッフが目の前でフルーツソースの彩りをしてくれる
サービススタッフが目の前でフルーツソースの彩りをしてくれる

ロザージュで大人気の「あつあつりんごパイ」。1593円。一緒にオーダーしたセイロンディンブラは867円
ロザージュで大人気の「あつあつりんごパイ」。1593円。 一緒にオーダーしたセイロンディンブラは867円

フレッシュチーズクリームとサブレの食感が楽しい「クレムダンジュ」もおいしかった。1559円
フレッシュチーズクリームとサブレの食感が楽しい「クレムダンジュ」もおいしかった。1559円

 専門店らしい気遣いに感心していると、出来立ての「あつあつりんごパイ」が運ばれてきたが、まだ完成ではない。 ここではドレッサージュといって、サービススタッフがフルーツソースなどで仕上げの彩りを行なってくれる。 目の前でオレンジや木イチゴ、ブルーベリーなどのソースを手際良くあしらい、みるみるうちに花びらやハート形が美しく描かれていく!  最後に、自家製バニラアイスを乗せて完成だ。

 薄いパイ生地の上に、薄切りの生のりんごを何枚も重ねてやき上げた 「あつあつりんごパイ」と、それを彩る美しいフルーツソースの組み合わせ。 香ばしいパイの味わいと甘酸っぱいりんご、さらにフルーツソースも加わって絶妙なおいしさである。  天気がよければテラス席に座り、芦ノ湖を眺めながら贅沢なティータイムを存分に楽しみたい。


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【問い合わせ】

箱根ラリック美術館

〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原186-1
TEL0460-84-2255
入館料:1500円。無休。9時~17時(入館は16時30分まで)


プレミアムショップ&サロン・ド・テ ロザージュ

〒250-0522 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80
TEL0460-83-6321(小田急 山のホテル)
無休。10時~17時(1階は17時L.O)


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